東京カフェ・スタイルの先駆者

東京カフェ・スタイルの先駆者

このごろ、開店してそろそろ10年を迎えようとするカフェを訪れることが多く、あらためてその良さを実感しています。クオリティの高いカフェだからこそ、変化の速い都市にあって愛されつづけているのですが、その完成度、色あせることのない魅力は、ただものではないのです。第1期東京カフェたちの存在は、街角のエヴァーグリーンになりつつあるように思えます。

東京カフェの原型のひとつを創った名店アプレミディは、そんな存在の筆頭に挙げられるカフェ。2009年5月にリニューアルオープンし、これまで5階=カフェ・アプレミディ(1999年~)、4階=アプレミディ・グラン・クリュ(2002年~)の2部構成だったフロアが、双方の良さをミックスして4階フロアにまとめられ、いっそう居心地の良い空間が完成しました。

ソファと音楽と、おいしいコーヒー。渋谷の街角になかった大人のくつろぎ。それが第1期カフェ・アプレミディが私たちを惹きつけてやまない理由でした。
リニューアルした第2期カフェ・アプレミディでは、さらに充実したお料理とワインが加わり、1軒ですべてのシチュエーションがまかなえるお店として完璧な存在に。

個人オーナーが作るカフェは、作り手の考えや嗜好がそのまま反映されるのが大きな魅力です。10年という日々が経過したことで、アプレミディは時代の傾向とリンクしながら、初期の「おいしいコーヒーとカレーとスイーツ」を望む年代から、「良いワインとしっかりしたビストロ料理」を望む年代(アプレミディ・グラン・クリュはそれが反映されたもの)を経て、「スタイルも経済的にも、より自由で飾らない、おいしいもの」を求める年代へと変化してきました。