自宅でおいしいコーヒーを楽しむために

自宅でおいしいコーヒーを楽しむために

シアトル系カフェの雄「スターバックス コーヒー」が日本に上陸して10年以上が経つ。カフェ ラテやカフェ モカといったエスプレッソドリンクが驚くべき勢いで日本国内に普及し、それとともにコーヒー文化全体が成熟してきた感がある。近頃では家庭向けの抽出器具も充実してきている。そこでこの連載では、"カフェだけでなく、自宅でもおいしいコーヒー20+ 件を"をテーマに、毎回異なる抽出器具を使ったコーヒーの淹れ方講座を展開する。

第1回目の抽出機器はコーヒープレス。見た目は紅茶のサーバーのようだが、この器具を使うと簡単に、そしてペーパードリップでは出すことのできない味を作り出すことができる。今回は「スターバックス コーヒー」のコーヒースペシャリストである田原象二郎さんに、コーヒープレスを使うコツを教えていただいた。


用意するものはコーヒープレスとコーヒー豆、水だけ。「ペーパーフィルターはいらないの?」という声が聞こえてきそうだが、プランジャー(プレスする部分)には金属フィルターが付いているため、ペーパーフィルターは不要だ。


コーヒー豆はもちろん挽いたものを用意するのだが、ここでポイント。コーヒープレスで抽出する場合、豆は荒めに挽いてもらおう。ペーパーフィルターの場合は細かく挽いた豆を使うが、その挽き具合のままだと嫌な苦味などが出てしまう。


次にその重要性を見落としがちな水。「コーヒーの成分の98%は水なんです」と田原さん。できればカルキ臭等がないミネラルウォーターを使いたい。「ミネラル分の多い硬水は苦味が出たりトゲトゲしい味になってしまうので、軟水を使ってください」とのことだ。さらには熱した際の温度にも注意したい。適温は90℃~96℃。この温度帯で抽出することによって、豆の味わいを最大限に引き出すことができる。