イデミ・スギノ(京橋 / ケーキ、カフェ・喫茶(その他)) 1992年まで神戸北野、2002年に

イデミ・スギノ(京橋 / ケーキ、カフェ・喫茶(その他))
1992年まで神戸北野、2002年に東京京橋に移転した日本を代表するパティスリー。
91年にクープ・ド・モンド・ド・ラ・パティスリーでアンブロワジーにて初めて日本チーム優勝に貢献。
2015年には、アジアの最優秀パティシエ賞をこちらも日本人として初めて受賞。



【シャルム】

ブランデー香る、スリーズ(チェリー)ショコラ系ガトー。
ブラックショコラとミルクショコラが層となり、スリーズにはブランデーがよく染み込んでいます。
上段からミルクショコラ、ショコラビスキュイ、ブラックショコラ、ビスキュイ。
ミルクショコラの口解けが良いです。
ビスキュイはイデミスギノの中ではかため。
ブランデーがしっかり香り、全体的にほろ苦さがあります。
濃厚さもありますが、甘さの強さは控えめでショコラ系ガトー特有の重さはあまりありません。

【スーボワ】

イデミスギノらしいムースのフォルム。
上に乗せられているきいちごは完熟していて質が良く、カシスムースのフィリングはキルシュテイストのババロア
ムースは口の中でじゅわっとした微かな音を立てて消え、芳醇なカシスが口いっぱいに広がります。
キルシュテイストのババロアはバニラを感じさせ、複雑であり、甘さは引きずりません。
リキュールは他と比べて控えめ。
最下層のビスキュイはジョコンドでしょうか、ブラックカラントがそのまま入っていて甘酸っぱくアクセントになっています。
甘酸っぱくジューシーさもあるムースです。

【マングキャシス】

マンゴームースのフィリングはレッドカラントとカシス。
下層のビスキュイからココナッツがしっかり香るフルーティーかつ、夏の雰囲気も楽しめるムース。
マンゴーはナチュラルさが出ています。
フィリングのムースは2層で、上段にジュレらしきものが薄く敷かれてそちらは酸味が強く存在感があります。
マンゴーとカシス、ビスキュイ、ココナッツの組み合わせがよく合っていてこちらも大変美味しいです。

【ラルム】

マロンのガトー。
上段のムースはクレームシャンティ系の甘さ控えめ、ふわふわの素晴らしい口溶け。
その下にはビスキュイが敷かれ、下層はマロンクリーム。
さっぱりしていますがマロンの粒感でリッチな味わい、最下層にはリキュールが効いたビスキュイ。
上には深いショコラが流され、上にはマロンコンフィ。
マロンコンフィのリキュールはしっかりめ。
ショコラとマロン強さがきて、ふわっと消えて、後からまたマロンの香りが蘇るのが良いです。
そこまで濃厚という訳ではなく、モンブラン的なものを想像されると全く違い、深い味わいで上品なマロンを楽しめます。
フォルムからも女性的なイメージ、こってりはしていなく、全体のリキュールは強めです。

アメジスト

ホワイト系ガトー。
上層からミストグリーンのナパージュ、青リンゴバタークリーム、カシスのバタークリーム、りんごのコンポート、後は上層の逆順番。
上にはパート・ド・フリュイが乗せられています。
イデミスギノのバタークリームは頂いた瞬間バタークリームだとはすぐ分かりますが、くどくなくコクはあるもののさっぱりしています。
青リンゴのバタークリームは、りんごの爽やかな香りで秀逸。
りんごは甘酸っぱく、ポイントは硬さでムースと共に綺麗に溶けるようになっています。
最下層のビスキュイのリキュールは強く、甘くありません。
バターのコクと後まで引きずらないようにカシスの甘酸っぱさですっきりさせています。
なかなか複雑な組み合わせですがどれかが主張しすぎることはなく、他ではないお味で大変美味しいです。

【オンフルール】

シードル香るナパージュはかなりはっきり、フィリングはカシスのムース、りんごのソテーが入っています。
上にはりんごの皮で作られたチップ。

りんごのソテー以外はムースが主体なのでしっかり堪能できます。
シードルムースとカシスムースが綺麗に合わさりしゅわっじゅっとした口解けが楽しめ、シードルはかなりしっかり。
他のリキュールのガトーよりやや角があるかもしれません。
いつもと違った香りを楽しめます。

<訪問2015/05>

カフェは撮影禁止ですので撮影していません。
テイクアウト不可のアンブロワジーとエベレストを選択。

【アンブロワジー

日本のケーキの礎とまで言われる艶やかな漆黒のガトー。
ムラが一切ないグラサージュの反射は素晴らしい美しさを放ちます。
私的には今までグラサージュが美しかったのはイデミスギノとアテスウェイのフォルティッシマ。
ショコラは深く濃厚、フィリングはピスタチオムース、フランボワーズソース。
個々のお味は強いですが、世界は保たれており絶妙。
ギリギリの線から生み出される調和は、強烈な印象を残します。
ムースの口解けから、お味の変化がしっかりわかる秀逸なガトーです。

【エベレスト】

フロマージュムースにクレームシャンティ、フィリングはフランボワーズ。
フランボワーズ酸味が甘さを控えめにており、重さはありません。
ムースの口解け、ビスキュイも溶けます。
貴婦人な様なガトー、儚ささえも感じさせます。

過度に甘くなく、濃厚さはありますが必要以上に残らず、もたれることもありません。
空気の様に消え行く儚さもあり、ガッツリ食べた感じにはならないのが特徴。
見た目のフォルムも美しく、フィリングの配置、カラーも綺麗。
大きさは小さめで大体600円オーバーなので安くはありませんがイデミスギノ以外では頂けないガトーばかりです。
リキュールが強いので、リキュールがダメな方や味の強さを求められると難しいかもしれません。
優しいですが芯があり、プライドを感じさせる独特なイデミスギノの世界、私にとっては最高のパティスリーです。

http://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13002285/